ご自宅でのセルフケアはもちろん大事ですが、歯科で行う口腔ケアには、色々あります。
  当院では、歯科衛生士が最大で月4回お伺いし、口腔清掃や嚥下訓練をさせていただきます。


  写真は長期にわたり、放置された口腔内です。
  歯石とよばれる、通常の歯磨きではとることができない汚れが付着しています。
  また、左下の写真には、飲み込むことができなかった薬が残ってしまっています。

  ご自身で使う歯ブラシなどの道具はおひとりおひとりに合ったものを提案させていただきます。
  また、ご自宅で歯科で行う歯石除去を受けることができます。
  飲み残してしまった薬は早期発見することで、主治医に連絡し、薬の形態変更や、飲み込みの検査
  など速やかに対応することができます。



  加齢や病気が原因で、食べるため・飲み込むための口周りの筋肉が
  低下したりうまくうごかせなくなることがあります。
  口腔周囲の筋肉を動かしたり、発声をすることで、筋力の低下を
  防ぎます。患者さまおひとりおひとりの状態にあったトレーニング
  を一緒にしたり、ご提案することができます。



  口腔清掃や嚥下体操はご家庭でのセルフケアが重要となります。
  私たちがお伺いする時だけでなく、お食事前やお休み前など、日々の生活に取り入れ、継続して
  いただくことで、より効果を発します。なので、ご家族様、ケアマネージャー様、施設職員様など
  介護者の皆さまに対しても、直接指導または、ケア及び訓練の情報を共有させていただきます。


  手術の前後や在宅で療養中の方は、免疫力も低下し、あらゆる感染症にかかりやすい状態に
  なります。こういう時こそ、口腔内をきれいに保つことが重要です。
  また、胃ろう(栄養を摂取するために胃と体外をつないだ管)などの経管栄養の方は
  「口から食べてないから口腔ケアは不要」は大きな間違いです!
  口を使えていないからこそ、痰や粘膜の残りかすが付着しやすい環境になります。
  口腔ケアを行うことで、普段使っていない口腔内を刺激することにもつながるのです。


  全身の病気であっても、口腔に症状が現れる病気が多数存在します。
  歯科を定期的に受診することで、虫歯や歯周病といった口腔疾患のみならず、
  全身疾患の早期発見につながることも少なくありません。
  また、口腔内を清潔に保つことで、誤嚥性肺炎の予防やあらゆる疾患の治療の効果を
  高めるとも言われています。